中国・上海で開催された「ChinaJoy 2026」に、ローグライク・ターン制ストラテジーRPG「Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅」が出展されました。
本作の軸となるのは、火・水・土・木・雷を組み合わせる元素反応と、探索の成果を持ち帰るための撤退判断です。さらに、そのゲームシステムには、開発初期から参加したパブリッシャ・ハリソンワールドの提案も反映されています。
元素をどう連鎖させるのか。どこまで探索を続けるのか。そして、パブリッシャは作品づくりにどう関わったのか。本作の特徴と、日中の市場をつなぐ支援の形を紹介します。
「Hope of Elements」は撤退判断を伴うターン制ストラテジーRPG
「Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅」は、元素の連鎖反応を軸としたローグライク・ターン制ストラテジーRPGです。
プレイヤーは5つの元素を操る魔女・イリスとなり、小さなドラゴン・ピピとともに真竜の故郷を目指します。開発は中国の余烬工作室、パブリッシングは東京に拠点を置くハリソンワールドが担当しています。
Steam公式ストアでは、危険な領域で資源や宝物を集めながら、探索を続けるか、危機が迫る前に撤退するかを選ぶゲームとして紹介されています。
現時点で公式に案内されている対応プラットフォームはPC(Steam)です。製品版の発売時期と価格は発表されていませんが、無料体験版はすでに配信されています。日本語のインターフェイスと字幕にも対応しているため、気になる人は実際の手触りを確かめられます。
火・水・土・木・雷の組み合わせが戦場を変える
戦闘で扱う元素は、火・水・土・木・雷の5種類です。単純に敵の弱点を突くだけではなく、異なる元素を接触させることで元素反応が発生します。
反応が及ぶのは敵だけではありません。地面やオブジェクト、周囲の環境にも作用し、炎を広げたり、爆発を発生させたりと、戦場そのものを変化させます。
ひとつの魔法をきっかけに、複数の反応が連鎖する可能性もあります。そのため、攻撃力だけを見るのではなく、どこにどの元素を配置するかが重要です。
ターン制ならではの先読みと、パズルを解くように元素のつながりを考える判断。この2つを組み合わせた戦闘が、本作の面白さのひとつになりそうです。
奥へ進むか撤退するか、成果の持ち帰り方が次の挑戦を左右する
探索では、目の前の敵を倒すだけでなく、どの段階で帰還するかを考えなければなりません。
ステージは小さな区画を順番に攻略する構成です。安全に出口へ向かうこともできますが、危険を受け入れて寄り道すれば、より希少なアイテムを狙えます。
4Gamer.netの試遊記事では、探索中に力尽きると装備品の大半を失うとされています。一方、Steam公式ストアでは、失敗時や撤退時にも一部の宝物を持ち帰れると案内されています。
装備品の多くを失う可能性はあるものの、Steam公式では、失敗時や撤退時にも一部の宝物を持ち帰れると案内されています。 「あと少し進みたい」という気持ちと、帰還を選ぶ冷静さのせめぎ合いが攻略の一部です。
撤退用のポーションはクラフトして探索へ持ち込めます。持ち帰った資源や元素の種は、栽培や錬金、ポーションなどの作成に利用可能です。4Gamer.netの試遊記事では、拠点の拡張要素も紹介されています。
宝物は200種類以上とされており、元素反応との組み合わせによって、挑戦ごとに異なるビルドを考えられる点も見逃せません。
エクストラクション要素はパブリッシャ側から提案
本作は当初、ターン制のシミュレーションRPGとして構想されていました。そこへエクストラクション型の要素を提案したのが、パブリッシャのハリソンワールドです。
4Gamer.netの取材によると、同社は中国語圏でエクストラクション系ゲームが成長しているという市場情報を開発チームへ共有。相談を重ねながら、探索で得たアイテムを持ち帰る仕組みを加えていきました。
両社が組んだ時点で、ゲームは完成度約20%のプロトタイプ段階だったとされています。ハリソンワールドは販売段階から参加したのではなく、ゲームシステムやアート、ローカライズ、作品名の検討にも関わってきました。
とはいえ、パブリッシャ側が変更を一方的に押しつけるわけではありません。提案を示したうえで、採用するかどうかは開発者が判断する方針です。
市場で伝わりやすい形を探りながら、作り手が目指す方向も残す。完成後に宣伝するだけではない、伴走型の支援が見えてきます。
言葉だけでなく、日中の文化や市場感覚もつなぐ
ハリソンワールドが補うのは、言葉の違いだけではありません。現地のプレイヤーが何を自然に感じ、どこに違和感を覚えるのかという文化的な感覚も、開発チームへ伝えています。
同社は、中国のゲームを日本へ展開するだけでなく、日本のゲームを中国へ届ける双方向のパブリッシングを主な業務としています。
同社が扱う「復興しよう!温泉町」では、中国の開発チームが描いた日本の温泉町について、日本側から細かな指摘を行い、描写を調整したとされています。
反対に、中国の龍を作品へ登場させたい日本の開発者へ、西洋のドラゴンとの文化的な違いを説明したこともあるそうです。
同じ言葉に翻訳できても、思い浮かべる姿や受け取る印象まで同じとは限りません。こうした認識の差を埋めることも、海外展開を支えるパブリッシャの大切な仕事です。
2人で制作するインディーチームを事業面から支える
余烬工作室は、プログラマーとアーティストによる2人組の開発チームです。2人は元編集者と別業種のイラストレーターで、ゲーム業界出身ではないと紹介されています。
ハリソンワールドが主に支援するのも、こうした中小規模のインディーデベロッパです。4Gamer.netの記事によると、同社がこれまで扱った開発チームは、最小1人から最大15人の規模でした。
同社は、小規模な開発チームほど作りたい理想へ意識が向きやすく、商売の部分が抜け落ちることもあると説明しています。そこで開発初期から参加し、作品の魅力を残しながら、市場での見せ方や継続的な開発につながる形を一緒に考えます。
「Hope of Elements」の成り立ちからは、パブリッシャが完成品を宣伝・販売するだけの存在ではないことが分かります。
ゲームシステムを提案し、文化表現を調整し、作品が届く市場との接点をつくる。小規模なチームにとって、こうした支援は開発人数だけでは補いにくい部分を埋める力になりそうです。
まとめ
「Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅」は、元素の配置と連鎖を考えるターン制バトルに、探索を続けるか撤退するかという判断を組み合わせた作品です。
無料体験版はSteamで配信中です。まずは元素反応の手触りや、成果を持ち帰るまでの緊張感を実際に確かめてみると、本作が目指す遊びがつかみやすいでしょう。
製品版の発売時期と価格は、現時点では発表されていません。今後はゲーム内容の続報に加えて、開発チームとパブリッシャがどのように作品を磨いていくのかにも注目です。
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