鮮烈な「色」が認識を侵食する。「The Colour Beyond: A Zeroth Kind」は他者の思考へ干渉するコズミックホラー

鮮烈な色に侵食された雨の森に立つ古びたウサギ型の石像 ゲームニュース
鮮烈な色彩と精神への干渉を軸にしたコズミックホラー「The Colour Beyond: A Zeroth Kind」

Infigo Gamesが開発するPC向け新作「The Colour Beyond: A Zeroth Kind」が、ChinaJoy 2026にプレイアブル出展されました。

本作は、360度の2Dパノラマを見回して異変を探る、ポイント&クリック型のコズミックホラーアドベンチャーです。集めた手がかりで他者の思考へ干渉できる一方、その力は主人公自身の理性や人間性にも影を落とします。

暗闇だけでなく、生命力を思わせる鮮烈な色まで恐怖へ変える。見慣れたホラーとは少し違う、不穏な島の物語です。

360度の2Dパノラマを調べ、異変に覆われた海東島の秘密を追う

「The Colour Beyond: A Zeroth Kind」は、物語と選択を重視したコズミックホラーアドベンチャーです。

プレイヤーは一人称視点で周囲を360度見回し、気になる場所をポイント&クリックで調査します。一見すると3D空間のようですが、背景には精巧に描かれた2D画像が使われています。

舞台は、理解しがたい「色」に侵食された海東島です。大学4年生の主人公・王 揚銘(ワン・ヤンミン)は卒業旅行で島を訪れますが、住民たちは奇妙に振る舞い、動植物にも元へ戻せない変化が起きていました。

Steamストアでは、360度の背景から証拠を集め、人間関係や島に埋もれた秘密を解き明かしていく作品と説明されています。

周囲を注意深く見ることが、そのまま探索と生存につながる設計です。何げない背景にも異変が潜んでいそうで、視線を動かすこと自体が緊張を生みます。

見ていない間に近づく像――日常の風景へ異常が入り込む

ChinaJoy 2026に出展された試遊版は、主人公が海東島の宿へ到着する場面から始まります。

衰退した町には雨が降り続き、人影もほとんどありません。宿で長時間眠った主人公が目を覚ますと照明はつかず、部屋の外では何者かが侵入の機会をうかがっていました。

どうにか宿を抜け出して森へ逃れても、安心はできません。目玉が生えた木々や、プレイヤーが見ていない間に少しずつ近づいてくるウサギ型の像が待ち構えています。

派手に襲いかかるだけが恐怖ではありません。「さっきより近くないか」と気づいた瞬間、静かな風景が一気に信用できなくなります。

生命力を感じさせる鮮やかな色と、朽ちた風景や変異した生物が同じ画面に並ぶ点も特徴です。暗闇や流血だけに頼らず、美しく見える色彩そのものを不安の種へ変えています。

手がかりを提示し、他者の思考や認識を変える「精神干渉」

探索と並ぶ重要なシステムが、島の住民の心へ入り込む「精神干渉」です。

調査で入手した手がかりはカードとして表示されます。それを相手に提示することで、その人物の考え方や物事の捉え方を誘導できます。

単に正しい証拠を突きつけて事件を解決するわけではありません。相手が抱える恐れや欲望、罪悪感、執着まで、攻略に使う対象になります。

主人公は未知の「色」がもたらす力を使い、SAN値を消費して、さらに強く精神へ介入することも可能です。状況によっては、相手の考えを根本から変えるほどの力を発揮します。

ただし、便利な切り札では終わりません。Steamストアでは、一線を越える選択によって、人間性に属していた一部の選択肢を失う可能性も示されています。

どの証拠を見せるかだけでなく、相手の弱さをどこまで利用するかも選択になる。事件の正解を探す以上に、プレイヤー自身の判断が問われる仕組みです。

能力値やダイス判定ではなく、選択と物語を軸に展開

会話画面の情報量や詳細なテキスト表現からは、CRPGを思わせる部分もあります。ただし、本作は複雑な能力値を管理するタイプの作品ではありません。

4Gamerの試遊記事によると、一般的なCRPGのように複数の能力値を割り振ったり、ダイスロールで行動の成否を決めたりする仕組みは採用されていません。

特定の場面では、スキルや思考に近い役割を持つ「人間性のアンカー」を獲得できます。アンカーによって一部の会話選択肢が解放されますが、アンカー自体に数値は設定されていません。

数字を高めて成功率を上げるのではなく、物語の中で得た考え方や経験が、新しい選択肢につながります。

複雑な計算よりも、どの手がかりを使い、誰の心へ、どこまで踏み込むのかが重要です。選択肢を選ぶ手が少し止まりそうな設計ですね。

残された時間は10日間、選択が仲間と世界の運命を変える

物語の序盤で主人公は、未知の色に関わる存在「夢中影」と出会います。

本来なら命を落としていた主人公に与えられた猶予は10日間。その間に島を調査し、さまざまな人物と関わりながら、自身と世界の運命を左右する選択を重ねていきます。

Steamストアでは、同行者たちにもそれぞれ目的や秘密、恐れがあると説明されています。頼れる支えになる人物もいれば、状況をさらに不安定にする存在もいるようです。

誰を信じるのか。誰を利用するのか。そして、誰の心へ干渉するのか。そうした判断が、その後の人間関係や運命へ影響します。

未知の存在へ近づくために人間性を手放すのか、それとも最後まで理性を守るのか。10日間という限られた時間のなかで、どの力を使い、何を守るのかが問われます。

発売時期は未定、日本語対応は正式版に向けて計画中

対応プラットフォームはPCで、Steamストアページが公開されています。開発元とパブリッシャーはいずれもInfigo Gamesです。

発売時期と価格は、現時点で発表されていません。Steamではリリース日が「発表予定」と案内されています。

日本語対応については、確認する情報の時点に注意が必要です。4Gamerは開発チームの説明として、正式版では日本語表示への対応を予定していると報じています。

一方、現在のSteamストアの対応言語欄では、日本語は「サポートされていません」と表示されています。日本語対応は正式版に向けた計画であり、現時点のストアへ反映された状態ではありません。

本作をウィッシュリストに入れている人は、今後更新されるSteamの対応言語欄も確認しておきたいところです。

また、4Gamerによると、2026年8月にはクローズドβテストも予定されています。ただし、具体的な実施日や参加方法、対象地域は明らかになっていません。クローズドβテストの続報が気になる人は、開発元やSteamからの正式な案内を確認しましょう。

まとめ

「The Colour Beyond: A Zeroth Kind」が描くのは、暗い場所に怪物が潜むだけの恐怖ではありません。美しく鮮烈な色が風景や生物を侵食し、やがて人の認識まで揺らしていきます。

手がかりを集めるだけでなく、それを誰に見せ、相手の心へどこまで踏み込むのか。選択の重さに興味を引かれた人は、今後のクローズドβテストに関する続報や、Steamの日本語対応状況を確認しておきましょう。

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