Take-Two Interactiveが、『Grand Theft Auto VI(GTA 6)』の未公開映像を流出させた人物・団体の特定に向けて、法的な手続きを進めています。
同社は米国時間2026年8月20日、MicrosoftとDiscordが保有する関連情報を求めるDMCA召喚状をニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に申請。その後、裁判所は申請を認め、召喚状を発行するよう命じました。
ただし、これは「流出者が特定された」「著作権侵害の責任が確定した」という話ではありません。いま何が分かっていて、MicrosoftとDiscordには何が求められているのか。順番に整理します。
Take-TwoがMicrosoftとDiscordに情報開示を要求
今回の手続きでTake-Twoが目指しているのは、「CyberLeek」を名乗って『GTA 6』の映像を公開している人物、または団体の身元を特定することです。
裁判所への申請では、対象となる著作物として映像、アートワーク、画像、会話、そのほかの創作的要素などが挙げられています。Take-Twoは、取得した情報を自社の権利保護に使用すると説明しています。
そして8月22日までに、裁判所はTake-Twoの申請を認め、MicrosoftとDiscordを対象とする召喚状を発行するよう命じました。
ここは切り分けて見たいポイントです。MicrosoftやDiscordそのものを流出元として訴えたわけではなく、両社が持つアカウント情報などを手掛かりに、流出元へ近づこうとしている段階です。
MicrosoftにはIPアドレスやOneDrive関連データを要求
Microsoftに対しては、CyberLeekに関する社内の業務・調査記録をはじめ、利用者を特定するための情報が求められています。
対象にはアカウントID、登録メールアドレス、IPアドレス、電話番号、接続されたGoogle・Xboxアカウントなどが含まれます。さらに、関連するOneDrive内に『GTA』、Rockstar Games、CyberLeekに関係するデータが存在する場合、その情報も要求の対象です。
報道では、問題となった著作物がMicrosoft傘下のGitHubにも投稿されたとされており、Microsoft側の情報が流出元を追う手掛かりのひとつになっています。
一方、Discordには、申請書で指定された複数のユーザーやサーバーに関係するアカウント情報の提出が求められています。
ただし、文書に名前が出たアカウントやコミュニティの参加者すべてが、流出に関与したと認定されたわけではありません。情報開示の対象になったことと、実際に流出へ関与したことは別です。
提出期限として9月4日が示される
MicrosoftとDiscordには、要求された情報を2026年9月4日までに提出するよう期限が示されています。
米国著作権局が案内するDMCAの第512条には、著作権者がオンラインサービス事業者を通じて、侵害を行ったとされる利用者の特定につながる情報を求めるための仕組みがあります。
今回も、まずは「誰が関わっているのか」を調べるための手続きです。
裁判所が召喚状の発行を認めたからといって、CyberLeekによる著作権侵害が裁判で確定したわけではありません。逮捕や損害賠償請求が決まったという意味でもないため、そこまで話を進めて受け取らないことが大切です。
法的な手続きは一歩進みましたが、本当に注目したいのはここから。MicrosoftやDiscordから得られる情報が、実際の身元特定につながるかどうかです。
流出者の正体やデータ入手経路は未確認
2026年8月22日時点でも、CyberLeekが個人なのか複数人によるグループなのかを含め、その正体は公式に確認されていません。
公開されたとされる映像をどのような方法で入手したのかも不明です。また、MicrosoftやDiscordがTake-Twoの求める情報をすでに提出したことも確認されていません。
一方で、プラットフォーム側にも動きがあります。MicrosoftのXbox部門CTOであるScott Van Vliet氏は、Take-TwoとRockstar Gamesによる知的財産保護の取り組みを支援するため、緊密に協力していると表明しました。
Discordも、DMCAに関連する召喚状を受け取ることがあり、有効な召喚状については確認のうえ通常どおり対応すると説明しています。
つまり、両社がまったく反応していないわけではありません。ただし、協力姿勢を示したことと、要求されたデータの提出が完了したことは別の話です。
まとめ
Take-Twoによる『GTA 6』流出元の追跡は、MicrosoftとDiscordへの情報開示を求める申請から、裁判所が召喚状の発行を認める段階まで進みました。
それでも、CyberLeekの正体や映像の入手経路、法的責任はまだ確定していません。
次に見るべきなのは、9月4日の期限に向けて両社がどのように対応するのか、そして開示された情報が実際の身元特定につながるのかです。「召喚状が出た=決着」ではなく、ここから調査がどう進むかを追っていきたいところです。
Sources:
- Kotaku:Take-Two Asks Court To Subpoena Trove Of Records From Microsoft And Discord As It Hunts For GTA 6 Leaker
- U.S. Copyright Office:Section 512 of Title 17: Resources on Online Service Provider Safe Harbors and Notice-and-Takedown System
- Insider Gaming:NY Court Approves Take-Two Subpoenas Microsoft and Discord Over GTA 6 Leaks
- Variety:'GTA 6' Developer Rockstar Games Subpoenas Microsoft, Discord Amid Leaks


