任天堂は2026年8月21日、採用情報サイト内の「仕事を読み解くキーワード」を更新しました。
新たに公開された「世界に散らばる仲間とともに」では、「Nintendo Classics」の開発と運営に携わるプロジェクトマネージャーが、海外拠点を含むチームの進行管理について紹介しています。
機能開発だけでなく、時差や言語、文化が異なるメンバーとどう認識をそろえ、限られた時間のなかで何を優先するのか。国や地域をまたぐゲーム開発を支える仕事の一端が見える内容です。
「Nintendo Classics」の国際的な開発体制を紹介
「Nintendo Classics」は、「Nintendo Switch Online」の加入者向け特典として、過去の任天堂ハードのタイトルをNintendo Switch 2やNintendo Switchで楽しめるサービスです。
ただし、対象ハードによって利用条件は異なります。今回の記事で取り上げられている『ニンテンドー ゲームキューブ Nintendo Classics』はNintendo Switch 2限定で、「Nintendo Switch Online + 追加パック」の加入者向けに提供されています。
今回登場する社員は、2024年にキャリア採用で任天堂へ入社し、企画制作部で「Nintendo Classics」の開発進行管理を担当しています。
記事によると、国内拠点が開発のディレクションを担い、海外拠点のプログラマーが機能実装やタイトル開発を担当。さらに別の海外拠点がローカライズやデバッグを行う体制です。
距離だけでなく、時差、言語、文化、祝日の違いまで考えながらプロジェクトを進める必要があります。世界規模の開発では、予定を管理するだけでなく、離れたメンバーが同じ方向を向ける環境づくりも欠かせないことが伝わってきます。
体験会に向けて実装機能の優先順位を整理
具体例として紹介されたのが、Nintendo Switch 2の発売前に開催された「Nintendo Switch 2 体験会」へ、『ニンテンドー ゲームキューブ Nintendo Classics』を展示した際の開発です。
当時は、開発途中だった「操作をみる/かえる」機能を、限られた期間で体験できる状態にする必要がありました。
チームは実装項目を整理し、体験会では、現在のボタンの割り当てを確認してから変更を完了するまでの一連の操作を優先。一方、オリジナルのコントローラー配置を確認できる「当時のボタンを表示」機能は、製品版での実装を目指す方針へ切り替えたと説明されています。
すべての機能を一度に仕上げるのではなく、体験会までに何を優先して届けるのかを決めたわけです。
進行管理というとスケジュールやタスクの確認を思い浮かべがちですが、実際には「何を、どの順番で、どこまで実装するか」を整理する判断も求められます。今回のエピソードは、その役割がよく分かる例です。
離れたチームの認識をそろえる工夫
開発中は各拠点にNintendo Switch 2を用意し、画面を共有しながら挙動を確認したといいます。
どの画面やボタンについて話しているのかをその場で共有できるようにしたことで、認識のずれが大幅に減り、業務効率も向上しました。基本的には通訳を介してやり取りしつつ、必要に応じて担当者自身が英語で説明することも意識したそうです。
仕事の合間には「ゲームチャット」を使って「ニンテンドー ゲームキューブ」のオンラインプレイを確認し、いつの間にかゲーム大会のように盛り上がったというエピソードも紹介されています。
本人は、こうした時間がチームの距離を縮め、一体感を育てるきっかけになったと振り返っています。
業務上の情報を正確に共有するだけでなく、離れたメンバーが一緒に取り組みやすい関係をつくることも、チームを前へ進める助けになる。オンライン中心の共同開発を考えるうえでも興味深いポイントです。
進行管理にもクリエイティブな判断がある
記事では、メンバーの専門性や置かれている状況、開発段階によって最適な進め方は変わるため、決まった方法に固執せず、その時々でアプローチを選び直す重要性が語られています。
プロジェクトマネージャーは、用意された計画をそのまま管理するだけの役割ではありません。
何を優先するのか。どう共有すれば認識のずれを減らせるのか。チームが迷わず進めるために、どの方法を選ぶのか。そうした工夫や改善によって、プロジェクトをより良く進めていく余地があります。
進行管理にもクリエイティブな側面があるという本人の言葉は、職種名だけでは見えにくい仕事の面白さを伝えています。
任天堂の制作現場に興味がある人はもちろん、国や地域をまたぐゲーム開発やプロジェクトマネジメントの仕事を知りたい人にも参考になりそうです。
まとめ
今回公開された社員記事から見えてくるのは、「Nintendo Classics」の開発を世界各地のメンバーが支えていること、そしてプロジェクトマネージャーがその間をつなぎながら、優先順位や進め方を柔軟に判断していることです。
任天堂への応募を検討しているなら、求人票の職種名だけで仕事内容を想像するより、こうした社員記事まで確認してみるとよいでしょう。実際の業務やチームとの関わり方を見ることで、自分が働く姿をより具体的に考える材料になります。
なお、「仕事を読み解くキーワード」の各記事はインタビュー当時の情報に基づいています。現在のサービス内容や採用条件については、それぞれの公式ページで最新情報を確認してください。
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