ダークな童話世界を舞台にしたアクションローグライト「Cinderia」。開発元のMyACG Studioは、先々の作業を細かく固定するのではなく、アイデアを約2時間で遊べる形にして検証する開発スタイルを採用しています。
Busan Indie Connect Festival 2026(BIC2026)のインタビューでは、この工程を1日に6回まわし、6つのアイデアを試すという制作の進め方も明かされました。ゲームそのものはもちろん、「どう作っているのか」にも注目したくなるタイトルです。
灰に覆われた王国を進むダーク童話ローグライト
「Cinderia」は、強大な魔女によって焼かれ、灰に覆われた王国を舞台にした見下ろし視点のアクションローグライトです。PC(Steam)向けの早期アクセス版が2026年3月30日に配信され、日本語のインターフェースと字幕にも対応しています。
プレイヤーは避難所を拠点に、部屋ごとに現れる敵を倒して報酬を獲得。進む部屋を選びつつ、スキルや装備を組み合わせて自分なりの戦闘スタイルを作っていきます。
早期アクセス版で使用できるキャラクターは4人。剣で敵の背後を狙うルー、砲台を設置するリベット、氷と凍結を利用するイズドラ、動物を召喚するウマと、それぞれ戦い方が大きく異なります。
開発チームによると、各キャラクターが選べるパッシブスキルは100種類以上、アクティブスキルは20種類以上あります。誰を選び、どの能力を組み合わせるかで攻略の形が変わるため、ビルドを考える時間も本作の大きな楽しみになりそうです。
完成度より検証速度を優先し、2時間で遊べる形にする
MyACG Studioが重視しているのは、最初から完成度の高いものを作り込むことではありません。アイデアを思いつき、実現可能だと判断したら、出来が悪くても約2時間で遊べる状態まで持っていくと説明しています。
まず動かしてみれば、本当に面白いのか、どこに問題があるのかをすぐ判断できます。この工程を1日に6回まわし、1日に6つのアイデアを試せるというのです。
さらに特徴的なのが、その結果を見て次の作業を決めていくこと。1か月先までの作業を固定した計画は基本的に立てず、短期間で作り、遊び、修正するサイクルを繰り返しています。
先の計画を先に固めるより、実際に触った結果を次の判断材料にする。ゲーム開発の試行錯誤を、かなり短い単位で回していることが分かります。
ただし、スタジオそのものが次々と作品を量産しているわけではありません。作品のリリースペースは約2年に1本との説明もありました。完成までを極端に短縮する方法というより、ひとつの作品の中で試行錯誤を高速化する開発スタイルと捉えると分かりやすいでしょう。
早期アクセス開始時には「侵食度」と「呪い」も導入
「Cinderia」のビルド構築には、強いスキルを集め続ければいい、とはならない仕掛けもあります。
早期アクセス開始時点では、スキルを取得するたびに「侵食度」が上昇し、100に達すると「呪い」と呼ばれるデバフを受けるシステムが導入されていました。能力を増やすメリットだけでなく、その代償も考えながら選択する必要があります。
強そうなスキルを見つけたら、とりあえず全部取る――とはいかないわけです。どこまで欲張るのかも、ビルドを考えるうえで判断材料になります。
拠点となる避難所には発展要素もあります。素材を使って施設を建設すると、サポートスキルの開放や食料の獲得といった恩恵を受けられ、道中でNPCを救出すると新しい施設もアンロックされます。
ラン中の戦闘だけで完結せず、次回以降の攻略につながる拠点作りも並行して進めていく構成です。
正式版は2027年3月が目標、コンソール版も計画中
BIC2026のインタビューで、MyACG Studioは「Cinderia」の正式リリースを2027年3月に予定していると説明しました。ただし、具体的なアップデート内容については、先々の作業を固定しない開発方針もあり、約束はできないとしています。
一方、Steamの早期アクセス説明では、早期アクセス期間について理想は6~8か月、状況によっては15か月ほどかかる可能性があり、2年は超えない見込みと案内しています。
Steamストアには2027年3月という具体的な日付は掲載されていません。現時点では、BIC2026のインタビューで開発側が示した目標として捉え、正式な配信日は今後の発表を確認するのがよさそうです。
PlayStationやNintendo Switchへの展開も計画されています。現在はPC版の開発を優先しつつ、コンソール展開に向けたパブリッシャや協力先を探しており、本編開発が一段落する2027年以降に着手したい考えが示されています。
対応機種や発売時期などの詳細は、まだ発表されていません。コンソール版を待っている人は、まずPC版の完成と、その後の正式発表をチェックしておきましょう。
まとめ
「Cinderia」で気になるのは、ローグライトとしてのスキルや拠点システムだけではありません。思いついたアイデアを約2時間で遊べる状態にし、結果を見ながら次を決めるMyACG Studioの開発スタイルも、本作の変化を追ううえで重要なポイントです。
現在はSteamで早期アクセス中のため、今後も内容やバランスが変わる可能性があります。これから遊ぶ人は現在の仕様を確認しつつ、正式版の目標である2027年3月に向けて、どんな改善が積み重ねられていくのかを追っていくと面白そうです。
コンソール展開についても計画段階です。PC版の開発がどこまで進むのか、そして2027年以降にどんな展開が発表されるのか。続報を待ちたいところです。
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